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交通事故で後遺症が残る場合

後遺障害(後遺症)とは何か

事故にあって怪我をした場合、その後治療を継続してきたものの、症状が完治しないまま、それ以上はいくら治療しても改善が期待できなくなってしまうこともあります。

このように、治療を継続してもそれ以上の改善が期待できない状態のことを「症状固定」といい、残存した障害のことを、後遺障害(後遺症)といいます。

損害賠償の実務においては、このような後遺障害(後遺症)を負った被害者については、「後遺障害(後遺症)による逸失利益」と「後遺障害(後遺症)による慰謝料」の賠償が認められています。

ただし、後遺障害が残った場合には、自賠責保険の等級認定を受ける必要があり、等級認定がなされなかった場合(非該当の場合)には、原則として後遺障害がないものと取り扱われることになります。

また、認定される等級についても、1級~14級まであり、何級と認定されるかによって、上記の「後遺障害(後遺症)による逸失利益」「後遺障害(後遺症)による慰謝料」の額が異なってきます。

したがって、この「等級認定がなされるかどうか」「何級と認定されるか」が重要なポイントとなります。

適切な後遺障害等級を認定してもらうために①(通院中)

 交通事故に遭ってしまった場合、怪我が完全によくなるのが一番です。しかしながら、ある程度治療を続けても痛みが残ってしまったり関節が曲がらなくなったりといったいろんな症状が残ってしまうことがあります。このような場合には、治らずに残った症状について適切な後遺障害の認定を受けなければいけません。それでは、適切な後遺障害の認定を受けるにはどのようにすればよいのでしょうか。


≪通院が大切!!≫

まず、事故に遭われた場合、きちんと通院されることが一番大切です。怪我を治すためにきちんと通院することが必要なのはいうまでもないことですが、しっかり通院せずに、症状が残った場合には後遺障害が非常に認定されにくくなってしまいます。通院回数が少ない場合には本当はとても痛かった場合でもたいした痛みではなかった、と判断され後遺障害にあたらないとされることがよくあります。また、長く通院していない期間があるとその後通院を再開しても、再開後の症状について交通事故との因果関係が否定されて後遺障害が認められないこともよくあります。ですから痛みが続いているのであれば、定期的に通院されることをお勧めします。

そして、通院される場合に整骨院のみの通院では痛みなどの症状が残っても整骨院では後遺障害診断書を作成することができないので、整骨院に行かれる場合でも整形外科にも平行して受診されることをお勧めします。


≪診断書にもれなく記載!!≫

また、整形外科で医師の診察を受ける場合には自覚症状をしっかり診断書やカルテ記載してもらわなければいけません。例えば事故当初から首と腰に痛みがあった場合でも、事故当初の診断書やカルテに腰の痛みしか記載がなく、治療を続けるうちに腰の痛みは治って首の痛みだけが残った場合、後遺障害診断書に首の痛みと記載されても、症状の一貫性がないとして後遺障害にあたらないとされる可能性が非常に高いと思われます。このようなことにならないためにも自覚症状は最初から全て診断書にきちんと書いてもらってください。


≪必要な検査は受けましたか??≫

さらに、治療の際には、必要な検査をきちんと受けるということが大切です。検査を受けることで症状の原因がわかり治療方法が異なってくる可能性があることは勿論、症状が残ってしまった場合に認定される後遺障害が異なってくる可能性があるからです。例えば、X線撮影では骨折の有無は分かりますが、軟骨等の軟部組織の損傷は画像に写りません。しかし、MRI検査をすると軟部組織の損傷が明らかになる場合があります。また、むち打ち等で神経症状が残った場合には、腱反射検査、スパーリング検査、ジャクソン検査といったような神経学検査が有用です。

適切な後遺障害等級を認定してもらうために②(症状固定後)

 きちんとある程度の期間通院を続けていても、症状が残ってしまうことがあります。このような場合には主治医と相談の上、症状固定と言うことであれば後遺障害診断書を書いてもらうことになります。


 ≪症状固定を判断するのは保険会社ではなく主治医です≫

ここで注意していただきたいのは症状固定かどうかを判断するのはあくまでも主治医であって保険会社ではありません。よくある追突のむち打ち事案などでは事故から6ヶ月程度で症状固定となるケースが割と多いですが、保険会社から事故後まだ3ヶ月しか経っていないのに治療費を打ち切るので後遺症診断書を書いてもらうように指示された方がいらっしゃいました。

しかしながら、このように保険会社が一方的に症状固定時期を決めることはできません。症状固定と判断されれば以後の治療費は自己負担となり(立て替えた後に保険会社に請求することもできなくなります。)、さらに通院慰謝料も症状固定までの期間についてしか算定されませんから低い金額にとどまります。また、症状固定までの期間が短い場合には事故によるものと認められる明確な画像所見がないような場合には後遺障害が認められない可能性が高くなります。

ですから、たとえ保険会社から早期に症状固定を求められたような場合でも、言われたとおりに後遺障害診断書を書いてもらうのではなく、主治医と相談の上で、症状固定には時期尚早と主治医が判断する場合には、保険会社から治療費の支給を打ち切られても健康保険を使って通院を継続し、主治医が症状固定と判断した段階で書いてもらいましょう。


≪自覚症状はもれなく記載!!>

後遺症診断書作成においては、右上の自覚症状欄には残存している自覚症状についてもれなく記載してもらうこと、他覚症状・検査結果欄には、神経学的検査で症状を裏付ける所見が出たような場合には必ず結果を記載してもらうことが重要です。

障害内容の緩解・増悪の可能性欄については、「今後も持続可能性が高い」、「緩解は期待できない」等の記載があれば一番良いのですが、中には「緩解の可能性がある」、等の記載がなされているものを散見します。後遺障害診断書にこのような記載があると事故によるものと認められる明確な画像所見でもない限りまず間違いなく非該当となります。過去にこのような記載がなされた診断書を作成した主治医と面談して確認したところ、緩解する可能性もあるが緩解しない可能性もあるとのことでした。このように緩解する可能性、しない可能性の双方があるのであれば緩解する可能性があるという記載をすべきではなく空欄としてもらうか不明と記載してもらうのが適切だと思われます。


≪後遺障害診断書に書ききれない場合は??≫

後遺障害診断書の作成については自覚症状をもれなく記載する必要がありますが、さらに、後遺障害診断書の限られたスペースで等級認定の審査に有用な情報を網羅することはなかなか難しいのが実情です。

そこで、医師と面談して、症状の原因となる画像所見の有無や画像所見が事故によって生じたものか、事故から症状固定に至るまでの症状の一貫性、事故による受傷態様から見た場合現在の症状が残存していることついて何ら不自然ではないか、今後の症状の持続可能性について話を聞き、可能であれば意見書を作成してもらうようにしています。また、多忙等の理由で面談に応じてもらえない医師については、前記のような点について文書で照会して回答をもらうようにしています。

 また、被害者の方の自覚症状及びそれが日常生活にどのような支障を及ぼしているかを正しく認定機関に伝えるには後遺障害診断書の自覚症状の欄では明らかに不十分です。そこで、単にどこが痛いというだけでなく、その痛みによって日常生活や仕事にどのような支障を及ぼしているかについても具体的に記載した陳述書を作成して提出するようにしています。


≪物損は後遺障害とは関係ないの??≫

さらに、後遺障害の等級認定請求には、物損の損害は直接には関係ありませんが、例えば乗っていた車が大破して全損になっている場合には、当然乗っていた人の身体にも相応の衝撃が加わっているはずです。ですから、物損事故における車両の損傷が大きいような場合には、被害車両の写真を添付することもあります。

後遺障害の等級認定を受けるには、保険会社に後遺障害診断書を渡して保険会社を通じて認定手続きを進めてもらう方法と、被害者請求といって被害者自ら後遺障害等級認定をする方法があります。保険会社に認定手続きを任せると楽ではありますが、認定機関には必要最低限の医証や画像の提出はされますが、それ以上の上記のような医師の意見書、陳述書、被害車両の損傷の写真などは添付されません。

逆に後遺障害の認定にマイナスに働くような医療照会結果がある場合には添付されてしまう可能性もあります。そこで、できることなら後遺障害認定手続きは被害者の方で主体的に行う方が良いと思います。しかしながら、先に述べたような、医師と面談して意見書を作成してもらったり、日常生活への支障を文章にまとめるのは被害者の方がご自分でされるのはとても大変です。そこで、弁護士に後遺障害等級認定手続き自体を任せられることをお勧めします。

頚椎捻挫・腰椎捻挫について

 

1 頚椎捻挫・腰椎捻挫ってなに?

頚椎捻挫、腰椎捻挫は、交通事故でもっともよく生じる怪我で、特に四輪車どおしの追突事故や側面衝突などでよく起こります。頚椎捻挫は、むちうち症ともいわれます。

頚椎捻挫、腰椎捻挫は事故の衝突の際に力が、頚椎(首の骨)や腰椎(背骨の下の部分)に加わって骨の周囲の軟部組織や筋肉を損傷することで生じます。軽い場合には1,2週間で治りますが、ひどい場合には数年間治らないということもあります。

頚椎捻挫の症状としては、首の痛みのほかに首筋から肩にかけての筋肉のこわばりや腕から手指にかけてのしびれ、めまい、頭痛、吐き気などがあります。

腰椎捻挫の症状としては腰の痛みのほかに足のしびれなどがあります。


2 頚椎捻挫・腰椎捻挫の治療

 頚椎捻挫、腰椎捻挫の治療は整形外科で行いますが、整形外科が診療時間の関係等で利用しづらい場合には整骨院で施術を受ける方も多くいらっしゃいます。しかし、整形外科での治療を受けずに整骨院での施術しか受けていないと一定期間治療後も症状が残った場合に後遺障害の申請をしようとしても整骨院の柔道整復師は医師ではないので後遺障害診断書が書けないので改めて整形外科に通い治す必要があります。けれども、途中からの受診では整形外科の医師が症状について十分な把握ができなかったりして書いてもらえないこともありますので、整骨院の利用は整形外科と併用されることをお勧めします。


3 頚椎捻挫・腰椎捻挫での神経の圧迫

 頚椎捻挫、腰椎捻挫で手足のしびれが生じる場合は神経が圧迫されている可能性があります。神経の圧迫はCT、MRIの画像で確認したり、神経学検査を行ったりします。ただし、画像上頚椎や腰椎にヘルニア(椎間板の突出)が認められてもそれが事故によるものか加齢等事故以外の原因によるものかの区別は難しく、事後との相当因果関係の立証は簡単ではありません。ただし、ヘルニア自体が事故によるものかどうか立証できなくても事故までに全く症状がなかった場合には後で述べる14級9号の後遺障害が認められる余地は十分あります。


4 頚椎捻挫・腰椎捻挫と後遺障害等級

 頚椎捻挫、腰椎捻挫で問題となる後遺障害は、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)と14級9号(局部に神経症状を残すもの)で、症状が画像その他の他覚所見で裏付けられる場合が12級13号、画像等の他覚所見はないけれども症状が生じることが医学的に説明可能な場合は14級9号になります。


5 解決事例

首の解決事例についてはこちら腰、骨盤、股関節等の解決事例についてはこちらをご覧下さい。

上肢手指の障害について

 

1、はじめに

交通事故によって腕や手指を骨折したり、筋肉が断裂したりなどして、腕や手、手指に障害が残ることがあります。また、ひどい事故の場合には、腕を切断しなければならないこともあり、事故によって生じた具体的な障害の部位や程度によって認められる補償の程度が異なってくることになります。

後遺障害等級上、障害の種類として、上肢(手首から肩まで)については、欠損障害、機能障害、変形障害とあり、手指については、欠損障害と機能障害というのが認められています。なお、後遺障害等級は、最も重たい1級から最も軽い14級まであります。後遺障害として認められない場合を「非該当」といいます。


2、欠損障害

欠損障害というのは、読んで字のごとく切断によって腕や指を失うことと考えてもらえればいいです。欠損障害は、腕や指の機能を全く失ってしまうものであることに加えて、外部から一見して障害が分かるものであることから、機能障害よりも重く等級が認定される場合があります。たとえば、片手の小指の第2関節が動かなくなった場合は13級ですが、切断した場合は12級となります。

欠損障害の中でも、その障害の程度に応じて、等級が異なります。また、指については、何本の指を切断したかによっても等級が異なります。

たとえば、両腕の肘から下の部分を切断してしまえば、最も重い1級という後遺障害等級が認定されます。逆に、最も軽い等級の欠損障害としては、片方の手指の親指以外の一本の指の第一関節から先の部分を切断した場合の14級です。


3、機能障害

⑴ 次に、機能障害というのは、腕や手指の持っている通常の機能に障害が生じる場合をいいます。なお、この機能障害については、骨折や腱断裂等の傷害を前提としており、例えば、むち打ち症などでのしびれや痛みを原因とした機能障害については、神経系統についての後遺障害として扱われることになっています。

機能障害についても、欠損障害と同様に、その障害の程度や、機能に障害が生じている部位の個数によって等級が異なります。

たとえば、両手の肩から先が動かなくなった場合には、最も重い1級という後遺障害等級が認定されます。一方、最も軽い等級の機能障害は、片方の手指の親指以外の一本の指の第一関節が動かなくなった場合の14級です。

腕には、肩、ひじ、手首の三つの関節があり、この関節の機能にどの程度の障害が生じているかという視点から、後遺障害等級が定められています。そして、この等級の軽重については、その機能の障害の程度を、「関節が全く動かなくなった場合」、「自分の怪我をしていない腕や手指の動かせる範囲の半分しか動かせなくなった場合」、「怪我をしていない腕や手指の動かせる範囲の4分の3以下しか動かせなくなった場合」の3つに分類して定めています。

手指では、指によってその機能に差があり、機能に応じて等級にも差がつけられています。親指は、指の中では最も重要な役割を果たしており、親指の障害は他の指に比べて重い障害等級が認定されます。これは、実際に、親指をつかわずに物を持ったり掴んだりした場合に、非常に不便であることがよく分かります。一方、小指については、その機能は他の指と比べればあまり重要なものと考えられていません。

⑵ この機能障害の程度を知る上では、ドクターに可動域(腕や手指の動かせる範囲)の測定というのを行ってもらわなければなりません。この測定は、日本整形外科学会の定めた測定要領に従って行われることになっています。

各関節の運動には、様々なものがあります。

たとえば、肩を動かすにも、手を前に挙げる、手を後ろに下げる、手を横に挙げるなどがあります。肩の関節の機能障害と評価されるのは、手を横に挙げる動作と手を前に挙げる動作です。このうちの一つの動作が、怪我をしていない側の肩の可動域の2分の1又は4分の3以下に制限されている場合には、機能障害として認められることになっています。そして、測定する場合には、体の軸が動かないように固定しておこなわなければならず、手を横に挙げる動作の場合は、手が肩の位置より上に挙げる際には、手のひらを前に向けて挙手するようになっており、測定の方法や測定における注意事項があります。

このように、どの動作にどの程度の支障が生じているのかをしっかりとした検査を行って測定してもらわなければなりません。


4、変形障害

変形障害は、簡単に言えば、骨がまっすぐに癒合せずに変形を残す障害のことです。

この変形障害の程度については、骨のどの部分の変形なのか、変形がどの程度のものか、生活するのに硬性補装具(プラスチックまたは金属製の支柱で作られた補装具)をどの程度必要とするのか必要としないのかなどにより判断されることになります。


5、まとめ

以上のように、腕と手指の後遺障害といっても、障害の部位や程度等によって多くの後遺障害があり、その認定のためには、医師による適切な検査に基づいた客観的な資料が必要となります。


6、解決事例

肩、腕、手の解決事例についてはこちらをご覧下さい。

外貌醜状に関する後遺障害について

 

 外貌の醜状(しゅうじょう)については,①外貌に著しい醜状を残すもの(7級12号),②外貌に相当程度の醜状を残すもの(9級16号),③外貌に醜状を残すもの(12級14号)と3段階に区分して等級が定められています。また,上肢及び下肢の露出面の醜状については,上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの(14級4号),下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの(14級5号)と1等級のみが定められています。

  平成22年6月10日より前の事故については,従前,男女で醜状痕についての後遺障害等級が異なっていましたが,これは憲法違反と判断され京都地裁で違憲判決が下されました。

  これを受けて,自賠責制度における障害等級は男女の区別がなくなり,前記のような区分となりました。

  平成23年5月2日に改正施行令が公布され,結局,平成22年6月10日以後に発生した事故については,現在の等級表が適用されることになったのです。

  ただし,それよりも前の事故については,従前の等級表が適用されますので注意が必要です。

 

2 「外貌」の意味

  「外貌」とは,頭部,顔面部,頚部のように,上肢及び下肢以外の日常露出する部分をさします。

 

3 「著しい醜状を残すもの」(7級12号)の意味

  原則として,次のいずれかに該当する場合で,人目につく程度のもの(したがって,眉毛や頭髪で隠れる部分については醜状として取り扱われません。以下も同じ。)をいいます。

 ① 頭部にあっては,てのひら大(指の部分は含まれません。)以上の瘢痕(いわゆる「傷跡」)が残ったとき,頭蓋骨に手のひら大以上の欠損

 ② 顔面部にあっては,鶏卵大面以上の瘢痕又は10円硬貨大以上の組織陥没

 ③ 頚部にあっては,手のひら大以上の瘢痕

 

4 「相当程度の醜状を残すもの」(9級16号)の意味

  原則として,顔面部の長さ5㎝以上の線状痕で,人目につく程度のものをいいます。

 

5 「醜状を残すもの」(12級14号)の意味

  原則として,次のいずれかに該当する場合で,人目につく程度のものをいいます。

 ① 頭部にあっては,鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損

 ② 顔面部にあっては,10円硬貨大以上の瘢痕又は長さ3㎝以上の線状痕

 ③ 頚部にあては,鶏卵大面以上の瘢痕

 

6 上肢又は下肢の「露出面」の醜状

「露出面」とは,上肢にあっては,肘関節以下(手部を含む。),下肢にあっては,膝関節以下(足背部を含む。)をいいます。これらの部分に,手のひら大の醜状痕が残った場合には,14級と認定されます。

 

7 注意点

(1)  外貌の醜状とは,前述のように人目につく程度以上のものでなければなりませんので,眉毛や頭髪で隠れる部分については醜状として取り扱われません。したがって,例えば,眉毛の走行に一致して3.5㎝の縫合創痕(いわゆる「縫った後」)がある場合,一見,「顔面部に長さ3㎝以上の線状痕」があるとして12級14号に該当しそうですが,そのうち1.5㎝眉毛に隠れている場合には,結局,顔面に残った線状痕は2㎝となるので,後遺障害は認められないということになります。

(2)  顔面神経麻痺は,神経系統の機能障害となりますが,その結果として現われる「口のゆがみ」は単なる醜状として取り扱われます。

(3)  目瞼,耳介及び鼻の欠損障害については,これらの欠損傷害について定められている等級と外貌の醜状に係る等級のうち,いずれか上位の等級により認定されることとなります。

  なお,耳介軟骨部の1/2以上を欠損した場合には「著しい醜状」(7級12号)とし,その一部を欠損した場合には単なる「醜状」(12級14号)とされます。また,鼻軟骨部の全部又は大部分を欠損した場合は「著しい醜状」(7級12号)とし,その一部又は鼻翼を欠損した場合には単なる「醜状」(12級14号)とされます。

(4)  2個以上の瘢痕又は線状痕が相隣接し,又は相まって一個の瘢痕又は線状痕と同程度の以上の醜状を呈する場合は,それらの面積,長さ等を合算して等級を認定するものとされています。

(5)  火傷治癒後の黒褐色変色又は色素脱失による白斑等であって,永久的に残ると認められ,かつ,人目につく程度以上のものは,単なる「醜状」として取り扱われます。

(6)  醜状痕の等級認定にあたっては,通常,調査事務所によって面談がなされます。

 

8 解決事例

顔面部・容ぼうの解決事例についてはこちらをご覧下さい。

脊髄損傷について

  完全損傷の場合、一般に治療による大きな改善は期待できず、受傷後数ヶ月程度で症状固定として後遺障害等級の申請をすることになります。

通常、自賠責の後遺障害等級は1級となり、労働能力喪失率100%として逸失利益の算定がなされます。

加えて、将来の介護料及び家屋や車両の改造費(自宅のバリアフリー工事など)も損害として認められます。

この「将来の介護料」は、ケースによっては数千万円以上となることもあり、賠償請求においては、この金額が大きな争点になります。

また、各種公的給付との関係も問題となります。

将来の介護料の請求にあたっては、四肢麻痺など非常に重篤な後遺障害を負った被害者に対する近親者等による介護が如何に大変であるかをきちんと主張、立証していくことが大切です。

御本人はもちろん、近親者の負担は非常に大きいものとなります(医療機関とのやりとり、介護の負担等のほか、公的支援等を受けるための諸手続も必要となります)ので、賠償交渉等は専門家への依頼を検討すべきです。


2 解決事例
脊髄、脊柱の解決事例についてはこちらをご覧下さい。

脊柱の後遺障害について

1 せき柱とは

せき柱とは,一般的に背骨と言われる部分です。

せき柱は,頸椎7個,胸椎12個,腰椎5個,仙骨5個,尾骨3~6個の約30個の椎骨から構成されています(ただし,後遺障害等級上の「せき柱」の障害という場合の「せき柱」には仙骨と尾骨は含まれません。)。

せき柱のうち,頸椎は頭部を支える機能を担っており,胸腰椎は体幹を支える機能を担っています。


2 後遺障害の種類

交通事故で背骨を骨折したり脱臼したりしたことにより,必要な治療を行っても背骨が変形したり動きが悪くなってしまうという後遺症が残ってしまう場合があります。

せき柱に関する後遺障害としては,以下の3種類があります。

① 変形障害

せき椎圧迫骨折・脱臼等によって,せき柱が変形した場合

② 運動障害

せき椎圧迫骨折・脱臼等によって,頸部及び胸腰部が強直(可動性を失った)したり,可動域が制限されたりした場合

③ 荷重障害

せき椎圧迫骨折・脱臼等によって,頸部,腰部の保持が困難になり,硬性補装具を必要とすることになった場合


3 後遺障害の程度

(1)変形障害

せき柱の変形障害については,「せき柱に著しい変形を残すもの」,「せき柱に変形を残すもの」に加え,第8級に準ずる障害として取り扱う「せき柱に中程度の変形を残すもの」の3段階で認定します。

①「せき柱に著しい変形を残すもの」(6級5号)

エックス線写真,CT画像又はMRI画像(以下では,エックス線写真等といいます。)により,せき椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって,次のいずれかに該当するものをいいます。

a せき椎圧迫骨折等により2個以上の椎体(椎骨の前方にある楕円形に近い形の部分)の前方椎体高が著しく減少し,後彎(背中が丸くなる)が生じているもの。この場合,「前方椎体高が著しく減少」したとは,減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が,減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上であるものをいいます。

b せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し,後彎が生ずるとともに,コブ法による側彎度が50度以上となっているもの。この場合,「前方椎体高が減少」したとは,減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が,減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるものをいいます。

※コブ法とは,エックス線写真等により,せき柱のカーブの頭側及び尾側においてそれぞれ水平面から最も傾いているせき椎を求め,頭側で最も傾いているせき椎の椎体上縁の延長線と尾側で最も傾いているせき椎の椎体の下縁の延長線が交わる角度(側彎度)を測定する方法です。

②「せき柱に中程度の変形を残すもの」(8級相当)

エックス線写真等により,せき椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって,次のいずれかに該当するものをいいます。

a 上記①bに該当する後彎が生じているもの

b コブ法による側彎度が50度以上であるもの

c 環椎(第一頸椎)又は軸椎(第二頸椎)の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む。)により,次のいずれかに該当するもの。

(a)60度以上の回旋位となっているもの

(b)50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの

(c)側屈位となっており,エックス線写真等により,矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの

③「せき柱に変形を残すもの」(11級7号)

次のいずれかに該当するものをいいます。

a せき椎圧迫骨折等を残しており,そのことがエックス線写真等により確認できるもの

b せき椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかのせき椎に吸収されたものを除く。)

c 3個以上のせき椎について,椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

(2)運動障害

①「せき柱に著しい運動障害を残すもの」(6級5号)

次のいずれかにより頸部及び胸腰部が強直したものをいいます。

a 頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎圧迫骨折等が存しており,そのことがエックス線写真等により確認できるもの

b 頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎固定術が行われたもの

c 項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

②「せき柱に運動障害を残すもの」(8級2号)

a 次のいずれかにより,頸部又は胸腰部の可動域が参考可動域角度(関節がどれくらい動くのかを示す指標となる角度。たとえば頸部の前屈は60度)の1/2以下に制限されたもの

(a)頸椎又は胸腰椎にせき椎圧迫骨折等を残しており,そのことがエックス線写真等により確認できるもの

(b)頸椎又は胸腰椎にせき椎固定術が行われたもの

(c)項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

b 頭蓋・上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの

(3)荷重障害

① せき椎圧迫骨折・脱臼,せき柱を支える筋肉の麻痺又は項背腰部軟部組織の明らかな器質的変化が存し,それらがエックス線写真等により確認できる場合で,そのために頸部及び腰部の両方の保持に困難があり,常に硬性補装具を必要とするもの(6級相当)

② せき椎圧迫骨折・脱臼,せき柱を支える筋肉の麻痺又は項背腰部軟部組織の明らかな器質的変化が存し,それらがエックス線写真等により確認できる場合で,そのために頸部又は腰部のいずれかの保持に困難があり,常に硬性補装具を必要とするもの(8級相当)

参照:労災補償障害認定必携 財団法人労災サポートセンター発行


4 解決事例

脊髄、脊柱の解決事例についてはこちらをご覧下さい。